どんなごちそうを食べるのかしら?
2020年5月5日はこどもの日。
子供たちに伝統的な日本の行事を、おうちで楽しむことで伝えたいですね。
こどもの日の始まり
端午の節句とは?
男の子の健康を願う日で、端午の節句と呼ばれます。
端とは「はじめ」、午は「五」の音から付けられました。端午とは、月初めの午の日、毎月五日となりますが、同じ数字が重なるのは縁起が良いので、5月5日を端午の節句として祝うようになりました。
もともと中国では5月に菖蒲をひたした酒を飲むなど、病気や厄災をはらう行事が行われていました。菖蒲は邪気払いや物忌みの行事に使われる植物だったのです。
日本に端午の節句が入ってきてからは、菖蒲が「勝負」や「尚武(武を重んじること)」と同じ音に由来することから男の子の行事となりました。
こどもの日の食べ物
こどもの日の食べ物といえば、かしわ餅とちまきです。
柏餅・ちまきの由来について見てみましょう。背景を知るとぐっと食べ物も美味しくなります。
なぜ、かしわ餅?
柏の葉
柏餅とは、柏の葉で包んだあんこ入りの餅菓子。だえん形の新粉餅でみそ餡(あん)や小豆(あずき)餡をくるみ、二つ折りにして柏の葉で包み蒸して作ります。
柏の葉は古来から食器として使われていました。『万葉集』には「家にあれば笥(け)に盛る飯を草枕(くさまくら)旅にしあれば椎(しい)の葉に盛る」との記述があります。
旅の時には柏の葉でご飯をくるんで携帯したのです。
柏餅
食器やお弁当箱代わりに使われていた柏の葉ですが、餅をくるんで柏餅となるのは江戸時代です。
グルメな江戸っ子たちに愛された柏餅の名店もありました。現在の静岡県・猿馬場(さるがばば)の茶店に、名物の柏餅屋がありました。歌川広重の東海道五十三次にも柏餅屋が描かれています。
羊羹で有名な「とらや」では1702年に初めて柏餅の記録があるそうです。
食べてみたいですね!
柏餅にこめた願い
男の子の節供である5月5日に柏餅が使われたのは、柏の葉は夏の新葉が出るころに古い葉が落ちる植物だというのも理由の一つ。
新しい葉・・つまり跡継ぎができたという意味で一家繁栄を祈り、祝う心情がこめられています。
なぜ、粽(ちまき)?
ちまきとは、もち米で出来た餅菓子です。笹・ちがや・竹の皮などで巻き、い草で三角形にまとめます。中国から伝えられたもので、古くから端午の節供の祝いに用いられています。
ちまきは、奈良時代から平安時代前期にはすでにあった食物とみられています。
ちまきの由来
ちまきの由来は2つ説があります。
1)邪気払い説
粽の歴史は古く、紀元前の中国にはすでにありました。香りのある葉で包むことから邪気を祓うという思いが込められ、日本では平安時代、宮中で端午の節句の厄除けとして食されるようになりました。
2)屈原弔い説
中国・楚の政治家であり詩人・屈原(くつげん)を悼んだこと。屈原は名高い人物でした。王の悪政をいさめたものの、聞き入れられず、汨羅(べきら)の淵に身を投じ、自らの命を断ちました。
屈原の姉はその淵に餅を投じて弟を弔いました。その忌日が5月5日にあたるところから、楚の人々は毎年5月5日に竹筒に米を詰めて水中に投じ、慰霊祭を行ったことが始まりです。
ちまきの中身
ちまきは、作る地方によって材料や包み方などに変化が多いです。
葉は、真菰(まこも)・笹・茅・葦など様々です。中身も、糯米・葛・外郎・団子などがあります。
昔ながらのちまきは餅菓子を指すのですが、現在では一般的にちまきというと「中華ちまき」をイメージする方が多いのではないでしょうか?
ちまきとは、何かの葉にくるまれたご飯とざっくり言えますね。
こどもの日のご飯は?
柏餅やちまき以外で、こどもの日に食べるのは、ぶり・すずき・かつおです。
お祝いということから、お赤飯や鯛、季節のタケノコなども食べます。
こどもの日の食べ物 ぶり・すずき・かつお
ぶり・すずきは出世魚であることが男の子の節句に食べる由来です。
かつおは「勝男」という言葉遊びから来ています。
ぶり・すずきのレシピ
何を作っても美味しくできる栗原はるみさんのレシピをご紹介。
うまみ十分のサクサクッと揚げた竜田揚げ。ところどころに味わうしょうゆが食欲を誘います。 お祝いにぴったり。揚げ物は家族が喜びますね。
落ち着く和食。調味料につけておく必要がないので忙しくてもすぐに作れます。
かつおのレシピ
にんにく入りの自家製だれがポイントのお刺身。野菜もたくさん、サラダのように食べられますよ。
新玉ねぎとすき昆布、青じそをたっぷり組み合わせた、かつおのお刺身サラダ。にんにくとしょうがの和風ドレッシングをかけていただきます。
デパ地下で買いたい!こどもの日の食べ物
ご飯は作るとしても、柏餅とちまきはデパ地下で美味しいものを買いたいですよね。
高級和菓子屋さんのお菓子でこどもの日をお祝いするのもいいですね。
虎屋(とらや)
- 柏餅(御膳餡・味噌餡) 4月21日より販売 価格 303円
- ちまき(羊羹粽・水仙粽・白下糖入外良粽) 5月1日より販売 価格 411円
・羊羹粽:小豆の風味豊かな粽です。葛に餡を煉り合わせたもの。
・水仙粽:葛製のお菓子を「水仙」と呼んでいます。葛のなめらかな食感。
・白下糖入外良粽:白下糖を用いた、コクのある風味が特徴。
仙太郎(せんたろう)
- 柏餅 (こし・粒・みそ) 4月7日頃より販売 価格 216円
・こし:白生地にこしあん。
・粒:蓬生地に粒あん。
・みそ:白生地にみそあん。
- ちまき 4月21日頃より販売 価格 195円
子どもたちと日本のこと、お料理のことなんかもおしゃべりしたいわ~